サイトカイン

サイトカインとは

サイトカインは、細胞に対して何らかの情報を伝達するタンパク質の総称です。比較的小さな構造(ほとんどが分子量3万以下)であり、さまざまな種類のサイトカインがあります。
特定の臓器で作られ、比較的遠くの細胞に影響するホルモンと異なり、通常は分泌する細胞の近くにいる細胞や、分泌する細胞自身に情報を伝達します。

サイトカインは「細胞」を意味するcytoと、「動き」を意味するギリシア語のkineinから造られた言葉です。1954年にサイトカインの一種であるインターフェロンが初めて発見されて以来、現在までに数100種類のサイトカインが発見されています。

サイトカインの中で、特に細胞を増殖させたり分化を促進させる機能を持つものを「成長因子」(growth factor, 増殖因子とも呼ばれる)と称されることもありますが、サイトカインは多様な機能を持っており、細胞成長因子の定義は曖昧です。

どのように情報伝達するのか:レセプター

EGF受容体の分子構造(Okinawa Protein Tomographyのご好意により提供)サイトカインが細胞に情報を伝達する最初のスタート地点は、レセプター(receptor, 受容体とも呼ばれる)という細胞の表面に存在する構造です。
細胞外から標的となる細胞に到達したサイトカインは、まずレセプターに結合します。これがきっかけになって、連鎖的に細胞の中でさまざまな酵素が結合したり、リン酸化などの電子のやり取りがなされて、ドミノ倒しのように細胞の中に連鎖反応が進んでいきます。この反応を、細胞内シグナル伝達と言います。
この、サイトカイン→レセプターの反応は、最終的に、細胞の司令塔である遺伝子情報の集まりである細胞核とその中の染色体にまで伝わります。
つまり、サイトカインの情報伝達は、細胞そのものを変化させる大きな影響力を持っているのです。

サイトカイン、レセプターの構造は同じ動物種では同一なため、個人差などは生じません。ただし、動物・植物間や、異なる動物ではタンパク質の構造が異なるため、作用しなかったり、効果が減少することがほとんどです。

サイトカインの機能

多機能性

同じサイトカインであっても、標的細胞(レセプターを持ってサイトカインを受け取る側の細胞)の種類によって、まったく異なる影響が生じることがあります。このように、1つのサイトカインが、異なる多数の作用を持つことを、「サイトカインの多機能性」と呼びます。

サイトカインネットワーク

サイトカインは細胞の間での情報伝達物質ですが、サイトカイン自体が別のサイトカインを調節したり、サイトカインを産生する細胞をコントロールしたりして、どんどん連鎖反応を起こします。サイトカインのやり取りに参加する細胞もダイナミックに変化し、サイトカインの種類・量も刻一刻と変化することにより、複雑なネットワークを形成します。この複雑かつ緻密なハーモニーにより、生体内では特有の反応がコントロールされているのです。

脂肪組織由来幹細胞が分泌するサイトカイン

サイトカインは決して幹細胞だけが産生・分泌する物質ではありません。通常の成熟細胞同士も、さまざまなサイトカインで情報伝達をすることで、バランスを取り合っています。
ただ、脂肪組織由来幹細胞は、サイトカインを豊富に分泌することが知られている「間葉系幹細胞」の一種です。数ある幹細胞の中で、周囲の細胞の調和に影響する機能は群を抜いています。この脂肪組織由来幹細胞のサイトカイン産生能力は、心筋梗塞や肝硬変のほか、免疫異常が原因と推察されているさまざまな病気の治療への応用が期待されています。

脂肪組織由来幹細胞が産生するサイトカインで、皮膚や皮下組織に影響を与えるサイトカインも、多数知られています。

脂肪組織由来幹細胞が産生するサイトカインの例

  • EGF(上皮成長因子)
  • FGF(線維芽細胞増殖因子)
  • VEGF(血管内皮細胞増殖因子)
  • HGF(肝細胞成長因子)
  • IGF(インスリン様成長因子)
  • TGF-β(トランスフォーミング成長因子)
  • など

前述のサイトカインの多機能性とネットワークにより、これらのサイトカインは単独で作用する効果の単純な足し算では説明できない、複雑な効果を生体に及ぼします。

ただ、皮膚の改善という目的では、美容治療の領域で、脂肪組織由来幹細胞注入療法による若返り効果の有効性が証明されています。アンチエイジングや、肌質改善において学術的な証明がなされている脂肪組織由来幹細胞は、生体内で、絶妙なサイトカインネットワークを構築していると考えられています。

Grancellの幹細胞化粧品のこだわり

前述のとおり、サイトカインは多機能性とネットワークという複雑なコントロールシステムを持っています。
だからこそ、Grancellでは美容治療において絶大な効果が証明されている脂肪組織由来幹細胞を起点とした幹細胞化粧品を開発します。

私たちは、繊細なお肌に絶妙なバランスを保つサイトカインの比率は、実際の細胞からでないと再現できないと考えています。
これは、美味しいワインを作ることに似ています。

良いワインはよいブドウがつくります。だから私たちは、脂肪組織由来幹細胞の品質を常に最高水準に保つのです。
良いブドウはよい土壌と太陽がつくります。だから私たちは、厳密に管理されたCPCにおいて、治療で培った独自の培養法を用いて幹細胞培養をおこないます。

Grancellは、琉球大学医学部の再生医療研究を礎とし、再生医療・美容医療・幹細胞培養の専門家が開発・製造・品質管理を担当しています。これは、ドクターズコスメの域を超えた、最高水準のアカデミア コスメ(Academia Cosmetics)です。

大学の技術で提供するアカデミア コスメであるからこそ、安心、安全で、社会から信頼される高品質であり続ける責任があると私たちは考えています。